パニック障害の「突然の恐怖」にどう対処する?〜発症初期から慢性化予防まで〜


目次

【専門家監修】パニック障害の適切な「対処法」:本人と家族が知っておくべきこと

「突然の動悸や息苦しさ、死ぬかと思うほどの恐怖に襲われる…」これはパニック障害の症状で、多くの方が経験するつらい感覚です。しかし、パニック障害は適切に対処すれば、必ず改善が見込める病気です。

「一体どう対処すればいいの?」「このまま悪化しないか心配…」と感じている方も多いでしょう。特に、発症初期の対処を誤ると、症状が慢性化してしまうこともあるため、正しい知識を持つことが非常に重要です。

この記事では、パニック障害の発作が起こった時の具体的な対処法から、再発や慢性化を防ぐための長期的な対処法まで、専門的な知見に基づき分かりやすく解説します。ご本人だけでなく、支える家族出来ることについても詳しくご紹介します。


1. まず大前提:「パニック発作」と「パニック障害」の違いと初期の対処の重要性

まず理解しておきたいのは、「パニック発作」と「パニック障害」は別のものだということです。

  • パニック発作(Panic Attack): 突然の強烈な恐怖感、死の恐怖、発汗、動悸、呼吸困難などの自律神経症状が短時間で起こるものです。生涯で約10〜15%の人が一度は経験すると言われるほど、比較的よくある現象です。
  • パニック障害(Panic Disorder): しかし、この発作を繰り返し、「また発作が起こるのでは」という強い予期不安と、発作を避けるための回避行動が持続する場合をパニック障害と診断します。

🔑 最初の1回の発作で必ずしも「障害」になるわけではありませんが、誤った対処をすると慢性化しやすいのが、この病気の厄介な点です。


2. 初期対処で最も大切な「医療的除外」と「誤学習の予防」

パニック発作が初めて起きた時、まず行うべき重要な対処が2つあります。

2.1. (1) まずは身体疾患の除外が最優先

パニック発作の初期症状は、他の深刻な身体疾患の症状と非常によく似ています。そのため、最初に医療機関で「体の病気ではない」ことを確認することが最優先の対処となります。

  • 発作の初期症状と酷似する疾患の例: 狭心症・不整脈、甲状腺機能亢進症、低血糖発作、てんかん、肺塞栓など。
  • 必要な検査例: 心電図、心エコー、甲状腺ホルモン、血糖値、血液ガス検査など。

これらの検査で身体的な異常がなければ、初めて「パニック発作」と診断されます。この「異常なし」という事実を知ることが、後の不安軽減に大きく役立ちます。

2.2. (2) 誤学習を防ぐことが慢性化予防の鍵

最初の発作で「死ぬのでは」「このまま気が狂うのでは」と破局的に考えること、そしてそれを避けようと「1人で外出しない」「電車に乗らない」などの回避行動を始めることが、パニック障害の慢性化を招く「誤学習」です。

この誤学習は、「発作→不安→回避→安心」という負の強化学習のサイクルを作り、予期不安が固定化されてしまいます。

🔑 だからこそ、最初の1回の発作の時点で、以下のことを認知レベルで学ぶことがとても大切です。

  • 「発作は命にかかわらない」
  • 「時間とともに必ず治まる」
  • 「逃げなくても大丈夫」

これらを理解し、早期に適切な対処を始めることが、慢性化を防ぐための最も重要なポイントです。


3. 最初に気をつけるべき「本人側の対処ポイント」

パニック障害の診断を受けたら、ご本人が意識して対処すべき点がいくつかあります。

3.1. (1) 「過剰受診」と「受診恐怖」の両極端を避ける

  • 過剰受診の回避: 初めての発作で救急車を呼ぶのは珍しくありませんが、身体的異常がないと分かれば、同じ検査を繰り返し続けるのは逆効果(医療依存)になることがあります。
  • 受診恐怖の克服: 「恥ずかしい」「弱っている姿を見られたくない」と感じ、医療を避けてしまうと、適切な対処が遅れて悪循環に陥ります。

→ まずは信頼できる心療内科や精神科を受診し、正しい診断と治療方針を確認することが重要です。

3.2. (2) 「安全確保行動」を最小限に

常に家族同伴で外出する、携帯酸素ボンベを持ち歩く、避難ルートを過剰に確認するなど、特定の行動に依存することは、「発作は危険なものだ」という認知を強めてしまいます。

  • 最初から「不安があっても生活できる」「少しずつ慣らす」という心構えを持つことが基本です。
  • 治療の過程で、これらの安全確保行動を段階的に減らしていく対処が求められます。

3.3. (3) 自己判断で薬を止めない

初期の治療では、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの薬が処方されますが、一時的に不安が悪化するなどの副作用が出やすいこともあります。

  • つらくても、必ず主治医と相談して、急な中断は避けてください。薬の調整は専門家と共に行うべき重要な対処です。

4. 家族・周囲が最初に気をつけること:本人を支える対処法

パニック障害は、家族や周囲の理解とサポートが不可欠な病気です。家族出来ることを知り、適切に対処することが、本人の回復を力強く後押しします。

  • 発作時に「落ち着いて!大丈夫だよ」と冷静に寄り添う: 家族がパニックになると本人の不安も増幅します。落ち着いた声で、命に別状はないことを伝えるのが一番の対処です。
  • 「気のせい」「甘えてる」などの言葉は絶対NG: 本人の苦しみを否定する言葉は、孤立感を深め、症状を悪化させます。
  • 必要以上の過保護で行動を制限しすぎない: 助けたい気持ちは分かりますが、過度なサポートは本人の自立を妨げ、回避行動を固定化させます(前述の「安全確保行動」の落とし穴)。
  • 家族も正しい知識を持つ: 発作は命に関わらないこと、回避行動は逆効果であることなど、パニック障害のメカニズムを家族全員が理解するよう努めましょう。


5. 初期に推奨されるパニック障害治療の柱

パニック障害対処において、効果が確立されている治療法は以下の通りです。

5.1. 薬物療法

  • SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が第一選択: 脳内のセロトニンという神経伝達物質のバランスを整え、予期不安や回避行動に長期的に有効です。効果が出るまでに時間がかかります。
  • ベンゾジアゼピン系抗不安薬: 発作そのものに対する即効性がありますが、依存性があるため、頓服薬として短期間の使用が推奨されます。

5.2. 認知行動療法(CBT)

  • 発作の「誤解認知(catastrophic misinterpretation)」を修正する: パニック発作の身体症状が危険なものではないことを学び、誤った思い込みを修正します。
  • 予期不安を減らす暴露療法(段階的な行動実験): 避けていた場所や状況に、不安を感じないレベルから少しずつ段階的に直面し、安全であることを体験的に学習していきます。これは非常に効果的な対処法です。

5.3. 生活習慣の改善

  • カフェイン、アルコール、喫煙の過剰摂取を控える: これらは自律神経を刺激し、発作を誘発しやすいため注意が必要です。
  • 十分な睡眠: 睡眠不足は体のストレス反応を高め、HPA軸を過敏化させるため、適切な睡眠時間を確保する対処が重要です。
  • 適度な運動: ストレス解消や心身のリラックスに繋がり、パニック障害の対処に有効です。

6. 最初に知っておきたいポイント

適切な対処のためには、ご本人にパニック障害についての正しい知識を身につけてもらうことが不可欠です。医療機関で以下の点を丁寧に説明してもらいましょう。

  • パニック発作は危険ではない
  • 心臓や脳の病気ではない(身体疾患の除外後)
  • 症状は必ずピークアウトして下がる
  • 呼吸を整えるだけで大幅に楽になる
  • 予期不安と回避行動が慢性化のカギ
  • 正しい治療で回復率は高い(70〜80%が寛解できるとされています)

まとめ:パニック障害への対処は「正しい知識」と「多角的なアプローチ」で

パニック障害は、最初の1回の発作をどう体験し、どう対処するかが、その後の予後を大きく左右します。「誤学習」を防ぐための適切な情報提供と、早期の身体疾患の除外が極めて重要です。

発作そのものの恐怖を「自分で扱える感覚」を養うための認知行動療法や、適切な薬物療法が治療の柱となります。また、家族や周囲が「安全基地」でありつつも、過保護で回避行動を強化しないよう、正しい知識を持って関わることが大切です。

もしあなたがパニック障害の症状で悩んでいるなら、一人で抱え込まず、まずは心療内科や精神科などの専門医療機関にご相談ください。適切な対処治療を受けることで、必ず症状は改善し、安心して生活できる日々を取り戻すことができます

当院では、腹部や背骨、骨盤周囲、首や頭蓋の施術を行うことで
脳脊髄液の循環を改善し、自律神経の乱れを整える施術を行い
精神的ストレスに対する対処法もできるようになるので
再発しない環境を作ることができます。

毎週金曜日21時からzoomでのぐっすり熟睡ストレッチで
寝る前に自律神経を整える環境も作るサポートを行っております。

お気軽にご相談ください。

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森田カイロプラクティック
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